ローザンヌ国際バレエコンクール優勝 菅井円加さんのコメント

  • 2012.02.14 Tuesday
  • 14:28
 ローザンヌ国際バレエコンクールに優勝した菅井円加さんのコメントである。
「こんなに幸せでいいのでしょうか」
17歳の女子高生が国際大会に優勝した素直な気持ちを表した、素敵なコメントだと思う。でも彼女は普通の女子高生ではない。バレリーナだ。

 近年はバレエを習いコンクールに出場する人が増加しているそうである。お正月に開催されるNBAや、その他のコンクールに出場する人が次第に増えてきて活況を呈している。そして日本人の出場するコンクールの中でも、ローザンヌは本当に特別だ。入賞するとヨーロッパを中心とするバレエ学校への奨学金と留学資格が与えられる。プロのバレリーナになるためのスタートがきれるのである。
 フランスや英国やロシアやドイツなどのバレリーナは小学生のときに自国のバレエ学校入学を志すだろう。しかし、そのようなしっかりとしたバレエ教育システムを持つ国は少ないために、他の国に住むバレリーナは国際コンクールに出場して有名バレエ学校の入学資格を争う。その最も大きな国際大会といわれているのがローザンヌ国際バレエコンクールである。
 
 
「落ち着いて踊ることが出来ました」
菅井円加さんのコメントである。それは、演技のとても難しい題材を選び、ある程度以上の体調を長く保ち、十分に練習し尽くして、尚且つ時差ぼけや外国の舞台での一発勝負という状況を我が物とし、練習してきたことを演りきるだけの器のある人にしか、結果として言えないセリフである。
 彼女は才能を持っていて、そしてそれはギフトではなく、自らの努力で積み重ねてきた修練による技能であり、それを当たり前のように舞台で発揮できるからこそ、彼女はローザンヌに優勝したのだ。
 僕は、彼女のように、ここ一番で才能を発揮できる人をとても尊敬する。だからバレリーナにかかわる仕事を続けているのだと思う。 
 

ローザンヌ国際バレエコンクールへのエントリー バレリーナのダイエットについて、身長を伸ばすために

  • 2012.02.10 Friday
  • 12:49
 今年のローザンヌにおける日本人バレリーナの活躍は素晴らしかったですね。神奈川県の菅井円加さんがコンテンポラリーダンス部門も含めて、優勝しました。それは本当に素晴らしい快挙です。おめでとうございます。これからの活躍がとても楽しみです。
 ローザンヌは毎年2月にスイスで開催されます。ビデオでのエントリー募集は夏に始まります。手続きについては右下のLinksにあるローザンヌのホームページを見てください。
 この記事ではメディカル面、とくに体格と食事についての話をしたいと思います。

 ローザンヌコンクール事務局はバレリーナの食事および体格の履歴について厳格なメディカルチェックを設けています。それはバレリーナの過度なダイエットや成長障害の予防を目的としています。
 国際舞台における日本人バレリーナの問題の一つに、小さな体格があるといわれています。ヨーロッパの劇団では160cm以下のバレリーナは群舞に入れないのが現実です。165cm以上の身長とある程度の体格の大きさが必要であるといわれています。
 小中学生時代の成長期に慢性的な睡眠不足や栄養不足があると成長障害につながりやすいと言われています。また低年齢で成長期が終わってしまうのも成長障害の特徴です。日本は伝統的に炭水化物が食事の中心になっていて、地方では特にその傾向が強いようです。そのような食事習慣は低身長や肥満の原因になります。 
 そして成長期の中学生バレリーナに、細さを求めるのは危険であり、過度なダイエットを継続したバレリーナが低身長になる例が散見されます。バレエ指導者および保護者の方は、バレリーナの成長に十分に注意していただき、若いバレリーナの成長障害を予防しましょう。
 肥満はバレリーナとって恐ろしいことでしょう。しかし、たくさん食べなければ、背が伸びることはありません。一方、子供の成長は両親の体格と強い相関関係が見られますが、食事や環境次第で身長を伸ばすことは可能です。
 そして、成熟したバレリーナにとって、減量は難しいことではありませんが、身長を伸ばすことは不可能です。 
 クリニックでは、バレリーナの生活習慣をチェックし、大腿骨や下腿骨の骨端線を検査した後に、美しく伸びやかな体格を目指して、各々のバレリーナに適合した食事指導を行っています。

バレリーナの美しい脹脛 腓腹筋、ヒラメ筋、趾屈筋群

  • 2011.12.08 Thursday
  • 08:27
 多くのバレリーナが望む美しい脹脛(ふくらはぎ)は、上の部分が後ろに向かって高い位置で膨らみ、横の張り出しが少なく、足首に向かって細くなっていくシルエットのように思われます。

 下腿の裏側には大きく分けて3つの筋肉があります。表面から∞な筋、▲劵薀甼據↓8繙骨筋と趾屈筋群です。

∞な筋はガストロと略されますが、膝の上にある大腿骨裏面から始まりアキレス腱になり踵の骨についています。
▲劵薀甼擇腓骨上部後面に始まりアキレス腱についています。腓腹筋の下にある張り出しになります。
8繙骨筋や長母趾屈筋、長趾屈筋は脛骨後面から始まり足関節の内側を通って、足の内側や裏側へ向かいます。腓腹筋の下で主に内側の張り出しになります。

 ポアントのときに、膝が伸びて踵が入ると、腓腹筋は高い位置で膨らみます。ドゥミポアントでは比較的に長母趾屈筋や長趾屈筋の力が必要になるため、脹脛の下にある横への張り出しが大きくなってしまいます。また長母趾屈筋の多用(母趾)は足首の裏側にある腱鞘炎の原因になるので注意が必要です。
 力の抜けたバランスの良いポアントが、バレリーナの美しい脹脛をつくるようです。

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ワガノアメソッドについて ロシア国立ワガノア・バレエ・アカデミー 吉田まいインタビュー

  • 2011.09.21 Wednesday
  • 08:13


 「多くの時間は、ワガノア・メソッドによる基礎的な動きを習得することに当てられます」
吉田まいの言葉だ。それはバレエを構成する動き方の習得に他ならない。バレリーナの踊り方そのものであるともいえるし、バレリーナにとっても、観客にとっても、それはバレエの本質といえるだろう。文章にたとえれば単語やフレーズであり、それは文学の本質である文体をつくりあげる。感情や表現は本質を基とした修飾的な領域になるはずだ。
 ワガノア・メソッドについて僕は具体的な知識を持たない。僕は彼女達の専属医として関わってきたが、バレエの技術については門外漢だ。しかし彼女達を支える裏方として舞台をみる機会は多い。そして医者は極めてフィジカルな視点から彼女達をみるのが業であるともいえる。
 ワガノア・メソッドによるバレエの印象というのは、とてもダイナミックであるということだ。速くて大きくて鋭いといってもいいかもしれない。僕はそういった印象を強く持っているし、そのメソッドを体現しているバレリーナというのは美しい。そして彼女達は輝きを放っている。舞台の上で。
 たとえばロイヤルオペラのバレエとは何かが決定的に違っている。英国ロイヤルバレエ団のバレリーナは優雅でゆったりとしていて、しとやかで上品な印象だ。それに対してマリインスキー劇場のバレリーナは、もっと速く、大胆で、力強く、そして強烈に個性的なイメージを持っている。

 以下はマリインスキー劇場の象徴であるプリマ・バレリーナのウリアーナ・ロパートキナの描写だ。僕の才能で彼女を言葉で表現するのは愚かな行為のようにも思えるのだが、あえて書いてみる。

 ロパートキナのポワントは真に1点であり針の先のように舞台を衝いている。ワガノア・メソッドそしてロシアンバレリーナの孤高の存在を象徴するかのような基礎的なテクニックでもある。踵は高く足首が強く前に出ていて、下腿からつま先にかけてスワンネックのように優美な線を描く。足底に潜むインナーマッスルの強さが具現されたかのようだ。そして脹脛の位置が高くて膝はわずかに過伸展している。美しく伸びた膝だ。これ以上伸びてしまうと壊れてしまいそうな緊張感を持つガラスの膝だ。膝と足関節を跨ぐ二関節筋である腓腹筋の強靱さがそこにはあるはずである。趾に力を与えるヒラメ筋を多用すると下腿の形は横に広がり線が崩れてしまう。
 そして彼女の大腿は観る者に後方への充実感を抱かせる。それは女性の脚部としてとても魅力的だ。そして側方への四頭筋の張り出しをほとんど感じさせない。徹底的なターンアウトによって創りだされた彼女の素質と才能の象徴であるともいえる。
 臀部は理想的な線と高さをもち、華奢な腹部へと線は窄まっていく。彼女の腹部は細い。そして柔らかい。背中には薄くて強靱なバネが隠されているかのようだ。そして裂けるほどに張られた胸部は、細くてしなやかな首の線へと続いてゆく。下顎の線は繊細で、明瞭な陰影を伴う。陰影は深く、鮮やかで、漆黒である。舞台の光に照らされた顎の背景になっている。百合の花みたいに可憐な顎が舞台に浮かびあがる。穏やかな口元は彼女の豊かな人生と才能を象徴するかのようだ。それは柔らかさとぬくもり、幸福と母性、才能と美貌、洗練と知性を観る者に知らしめる。そして舳先のように風をきってゆく鼻は、長く繊細な睫毛を伴って柔らかな眉毛の曲線と理知的な額への広がりに続いていく。

吉田まいと吉田ゆり 姉妹のバレリーナへのインタビュー ロシア国立ワガノアバレエアカデミーとミュンヘン・バレエ・アカデミー

  • 2011.09.10 Saturday
  • 12:43
 先日は炭たか炭・館林店という焼鳥屋で、吉田まいさん、吉田ゆりさんというバレリーナの姉妹にインタビューをしました。焼き鳥旨かった! まいちゃん、ゆりちゃんも、炭たか炭の焼き鳥がお気に入りだったようです。話もいっぱい聞けたし、〆の鳥そぼろ飯も旨かったし、凄く、よかった!
さて、日本のコンクール界で長年活躍してきた彼女達は、すでにとても有名なバレリーナですが、吉田まいさんはロシア国立ワガノアバレエアカデミーへ、吉田ゆりさんはドイツのミュンヘン・バレエ・アカデミーへと旅立つところでした。その準備中のお忙しいところに時間をつくってもらいました。
彼女達はこの9月にヨーロッパに向けて旅立ちます。皆さん応援しましょう! 僕も応援します。ガンバ! チャチャチャ!

 インタビューについては、のろのろとまとめ中ですので、そのうちゆっくりと発表したいと思います。その前に、簡単なエッセイを書きましたので、読んでみてくださいませ。ウッホーイ!


バレリーナは何故ヨーロッパに向かうのだろう

  • 2011.09.10 Saturday
  • 12:42
 ご存知の通りバレエの本場はヨーロッパだ。パリのオペラ座やサンクトペテルブルグのマリインスキー劇場が有名なのだが、それ以外にも素敵な劇場やバレエ団がたくさんある。その全てが大盛況というわけではないが、世界中のバレエファンは劇場やバレエ団をしっかりと支持しているように思う。
 彼女達は自らの才能ひとつでヨーロッパのバレエ学校へと旅立っていった。大きなバックを肩に担いで、コートの襟を立て、北方にある石で造られた街へと消えていった。観客を感動せしめるバレリーナになりたい、そしてプロフェッショナルとしてヨーロッパでしっかりと食べていくんだ、という決意を胸に抱いて。異なる歴史や宗教そして言葉や文化を真摯に学び、自らのバレエに豊かさをもたらすはずの感性を磨くことを怠らない。
 バレエの舞台では、その舞台のライトの下では、アジア人の肌に含まれる黄色が異形に目立つ。舞台に立つ日本人バレリーナはそれを隠すがために白粉を塗る。顔だけでなく、露出する全ての肌に。もちろん白人にそんなものは必要がない。彼女達の肌は何をせずとも自然に白く輝くのである。
 何が彼女達をそこまで惹きつけるのか。そして何故バレリーナはヨーロッパに向かうのだろう。
 ワガノアにいればマリインスキー劇場はすぐ近くだ。入団をはたした日本人は過去にいない。が、入団を目指しているバレリーナと一緒に踊ることができる。そして客席に坐ればプリマやソリストのバレエをみることができる。もしかしたらスタジオで出会う機会があるかもしれない。若いバレリーナにとって、そういう類い稀なる才能に直に触れることは、自らの才能の可能性を高めることに他ならならないと思える。オリエントの小さな島国においては、たしかに不可能な所作ではある。
 そしてバレリーナはヨーロッパに向かう。


ロシア産イクラ味のポテトチップス

  • 2011.07.06 Wednesday
  • 19:45
 昨日はワガノア留学中の吉田まいちゃんより、貴重なマリインスキー劇場情報を聞いたのだが、一緒にロシア土産をいただいたことは前回のブログに書いた通りだ。
 僕はマトリョーシカとロパートキナねたで興奮しすぎてしまい、お土産について慎重に見分する余裕を失っていた。だから、チョコレート×2とクッキーと……なんていい加減なことを、確認もせずにブログに書いてしまったのである。
 てっきりクッキーだと勘違いした、横長の箱のお菓子を良く見てみると……むむ、なんとポテトチップスと書いてある。それもMEGA CHIPS なんて、ロシア産のくせになんだかメリケンなネーミングだ。そして、パッケージの写真を見ると、なんとイクラの写真が載っている!?(下図参照)
 これが噂のロシア産イクラ味ポテトチップスかぁ。外箱をデジカメで撮りつつ、さっそく中身を空けてみる。アルミの中袋に入っているポテトチップスは板状に成形されていて、食べものというよりはコクヨの定規に近い。僕はそのプラスチックの板みたいなチップスを恐るおそる一枚食べてみた。
カリカリ、モグモグ……うっ、旨い、薄塩で、若干魚臭い何かのエッセンスが感じられる。だが決して生臭くはない。これがイクラ味かあ。
「旨いよ、これ、食べてみて」僕は、ぶらぶらしているスタッフさんを捕まえた。
「えぇー大丈夫なんですかあ、イクラ味のポテトチップスなんて」
「いいから、だいじょうぶだって」
「ええー」「あら、意外といける」「おいしい、これ」
ロシア産イクラ味のポテトチップスは当院スタッフ間においても好評を博したのであった。
 一緒にもらったチョコレートもアリョンカチョコレートという人気の一品らしい。それは、一度見たら一生忘れられない程のインパクトのあるパッケージだ。
 うーむ、ロシアは遠い隣人なれど、探究する余地のある宝山のように思えてきた。
 今度旅行してみよう。

ロシア国立 ワガノワ・バレエ・アカデミーの近況について 吉田まいが語る

  • 2011.07.05 Tuesday
  • 19:46
 今日は、ワガノワ・バレエ・アカデミー留学中の吉田まいちゃんと会った。学校は夏休みに入ったそうである。まいちゃんは、一年間の留学予定を延長して、来年もワガノアに通うそうだ。
「ロシア人の先生、厳しいです」
「怖そうだよね、ロシア人の元プリマって」
「そうなんです。怒ると生徒の首筋掴んで、教室の外に投げ出しちゃうんですよ」
「ワガノアの先生の得意技はネックブリーカーか……怖いなそれは」
 まいちゃんは怪我もなく、一年間をワガノアで楽しく過ごしたそうだ。あいかわらず、タフで適応力の高い人だな、と僕は彼女に、改めて尊敬の念を持ったのであった。もし僕だったら3週間以内に停学くらって終わりだろうな。もちろん、その前に入学が不可能だけど。
 まいちゃんは元気な姿を見せてくれただけでなく、お土産まで持ってきてくれた。……重かっただろうに、遥か北方に聳える、遠い遠いサンプトペテルブルグの都から、こんなに荷物を運んできてくれるなんて……汚いオヤジのために……くっ、涙出てきちゃったぜ。うおぉーん。
 お土産はチョコレート×2とクッキーと、マトリョーシカ!! それも5連発の奴。かわいい赤いマトョリョーシカ!! まいちゃん、やっぱり、そのセンス最高だ!! 大事にしまっておこう。ごそごそ。どうもありがとう。
 そして、僕とまいちゃんはマリインスキー劇場ネタで盛り上がるのであった。
 マリインスキー劇場はネットでチケットを予約できるのだが、ウリヤーナ・ロパートキナのスワンレイクはいつチェックしても満席なのである。僕は、死にいたるまでには、どうしても生のロパートキナを見たい。チケットさえ取れれば、サンクトペテルブルグごとき、何時でも行ってやるぜ!! と脳内準備は万端なのだが、チケットが取れない。
「あ、ロパートキナのスワンレイクみました」と、まいちゃんは軽く言い放った。
「ええ! どうだった、ロパートキナどうだった!?」
「凄いです。とにかく凄いとしか言いようがないです」
「やっぱり凄いんだ」
「ほんとに凄いです」
とまあ、文章だと何の会話だかよくわからないが、ウリヤーナ・ロパートキナのスワンレイクはとにかく凄いらしい。
「絶対行くから、行くときには連絡するから!!」
「でも、マリインスキー劇場って、周りにレストランが一軒あるだけで、寂しいんですよ。お腹すいちゃうから、ワガノアのまわりでご飯食べてから行きましょう」
 相変わらず、そのセンス抜群だぜ。たしかに腹が減っては戦は出来ぬのだ。
 まいちゃん。来年もがんばってね。マトリョーシカありがとう。

ロンドン・コロシアムとENO

  • 2011.05.21 Saturday
  • 21:55
ロンドンに行く目的の一つはイングリッシュナショナルオペラ(ENO)の観劇だ。ENOの本拠地はロンドン・コロシアムで、ロンドンのウエストエンドにある。その辺りはピカデリーサーカスやコベントガーデンを中心とする繁華街が広がっていて、沢山の劇場がひしめきあっているところだ。ウエストエンドには世界中から観光客が集まってくる。彼らの多くはロンドンのエンターテイメントを楽しみにしているはずで、僕もその中の一人である。そこにはアジアとは違う種類の雑然さがあり、さまざまな言葉や体臭が交錯している。
アンダーグラウンドに乗ってレスタースクエア駅で降りる。駅を出て左に坂を下る。映画や演劇のポスターがひしめき合う小道を左に入ったら、突き当りを右に下りていくとロンドン・コロシアムはある。
エントランスはわりとあっさりしていて、老舗の画廊のような雰囲気だ。建物の中に入っても豪華なホールがあるわけではない。むしろ劇場としては狭い印象である。よく見るとウッドパネルや絨毯が穏当に使われている建物の中は、誠実な暖かい雰囲気に満ちている。僕はバーで飲み物を頼み、それを持って回廊をゆっくりと歩いていく。収まるべき場所がみつかったら、そこで、壁を背にして左手の飲み物をゆっくりと飲む。回廊には人々の喜びがこだましていて、そこは観客の期待で満たされている。異国を旅している僕の背中のこわばりが薄れていくのを感じる。
高橋絵里奈はENO所属のイングリッシュナショナルバレエ団のシニアプリンシパルである。100名弱のダンサーの中で、たった5名だけにその称号が与えられている。2010年の夏には創立60周年記念としてシンデレラが公演された。彼女はプリマ・バレリーナとしてシンデレラ役に選ばれた。

高橋絵里奈さんについて

  • 2011.05.21 Saturday
  • 21:17
ERINA TAKAHASHI
イングリッシュナショナルバレエ ロンドン イギリス

 彼女のバレエについて、その正確なパや様式美が賞賛されることが多いようだが、それはそのとおりである。ロンドン・コロシアムの舞台で彼女は素敵な演技をみせてくれる。その踊りは軽やかで、スピードがあり、とても正確だ。彼女以上にバレエを正確に踊ることは不可能なんじゃないかと思われるくらいに。そして彼女は舞台のはじめから終わりまで、何ひとつ変わらないように延々と踊り続ける。それをみつづけていると、彼女の持っている強い情熱とプリマ・バレリーナの責任の重さがじわじわと僕に伝わってくる。
だから高橋絵里奈さんのバレエをみると、僕の心には、とてもゆっくりと重層的に感動がわいてくるのである。そして劇場を後にするときには、大きな元気をもらって帰ってくるのだ。
「おまえもしっかいやれよ」「はい」

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