奥田英朗 どちらとも言えません 村上春樹 女のいない男たち

  • 2014.06.03 Tuesday
  • 12:34
 先日、新刊を置いてある本屋(古本屋じゃない)で買った2冊です。
 私事ですが、書評というのはどうやって書いていいのか全く分からないので、読書感想文みたいなものを書いてみます。
 僕は短編集やエッセイを読むときに、まず目次をみてページ数の短いものから読み始める、という癖があって、特に奥田英朗さんのこの本は「順番なんかどうでもいいだろう、適当に好きなとこ読めよ」という雰囲気満載だったので、あっちいったりこっち行ったりしながら読みました。
 ところで長い文章を読み始めるのって、なんとなく怖くないですか? 僕は長編小説を読み始めるときに、かなりの覚悟を必要とします。仕事の溜まり具合とか、体調はどうかとか、奥さんの機嫌をみてみたり、なにやら、かにやらをチェックしてから、よし! とおもむろに読み始めます。
 僕の結論「奥田英朗 どちらとも言えません」は凄いエッセイです。何が凄いかは、読んで頂くしかないのですが、元体育会系男子にお勧めしたいエッセイですね。
 しかし読書感想文が「凄い」だけだと学校の先生に怒られるよなあ。でもね、何を書いていいか、本当によくわかんないんですよ。ナンバーに連載された有名なスポーツ関連のエッセイだし、文章は最高だし、とにかく面白いし、奥田英朗さんと言えばインザプールが大人気の直木賞作家でしょう、あ、そう言えば、ネットで調べた奥田英朗さんのお顔は、ハンサムなエグゼクティブ紳士という感じでしたね。文体からは、昭和の営業の課長みたいな小太りのおっさんを連想するのですが、全然違いました。
 「村上春樹 女のいない男たち」は、まだ半分しか読んでいません。(ドライブ・マイ・カー)を読んで、(女のいない男たち)を読み、(イエスタデイ)を読んだところです。
 (ドライブ・マイ・カー)は、おお、こんなにフェミコード引っかかりまくりの冒頭部から始まっちゃって、この先どうなるんだろう、とドキドキしながら読みました。比喩が少なくて描写メインの簡潔な文章。全体的に少し説明臭い感じがして、意外でした。
 (女のいない男たち)は春樹節が炸裂。もう、凄すぎて良く理解できないので、もう一度しっかり読もうと思っています。
 (イエスタデイ)は、好きな短編だなあ。いいですよね、僕は好きだ。
 ということで、読書感想文みたいなものですらない、しょうもない文章をたらたらと書いていますが、ここまで読んでくださった心の広いあなたに僕は本当に感謝しています。ありがとうございます。今夜はこれからいいことありますよ。
 しかし村上春樹さんの新刊が出ると、アマゾンのレビューを読むのが面白いですね。春樹信者派とアンチ春樹派が、それぞれ論陣を張って真剣に戦争みたいにやりあっています。面白いのは、怒っている人、幸せな人、呆れている人、感動している人、沢山の人々の率直な感想が真摯に書かれていることです。
 僕は春樹さんの新刊をのんびり読み進めつつ、アマゾンのレビューを見て、またちょっと読んで、という感じでゆったりやっています。そうすると、いつまでもするめみたいに味がして、いいもんだなあ、春樹さんの新刊は。


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異性 角田光代 穂村 弘 の感想文

  • 2012.04.22 Sunday
  • 16:34
 こんな面白い企画があっていいのかぁああああああああああ!
 神田の三省堂本店の一階の新書売り場で、僕はウナギのようにくねくねと(森見さん考案の)詭弁踊りを踊りながらレジに行くのももどかしくこの本を買い求め今52ページまで読んでいるところだ。
 おもろい! まじで、おもろい! こんな面白い本は、今年のナンバーワンだ!
 この本は角田光代さんと穂村弘という、エッセイ界の巨人ががっぷり四つに組んだ、「異性」についての書簡形式エッセイの新刊本だ。
 角田光代について語るのはやめておく。ただ、凄い小説家でエッセイストだ。穂村弘もしかりだ、もの凄いエッセイストで歌人。
 僕の好きな現代作家は、村上春樹、角田光代、江国香織、三浦しをん、 (穂村弘)。角田光代×穂村弘の書簡集で、それも内容は「異性について」というこの本の企画は、たとえてみれば、
(趣味とは何か「レコードとホ○漫の媒体性」村上春樹、三浦しをん)
くらいのインパクトを持っているんじゃないか。

 まだ、52ページしか読んでないのですが、もう、すでに、おもしろくて、おもしろくて、どんどん読んで最後まで読み切ってしまうのが怖いくらい。カクちゃんもほむほむも最高!
 超強力な著者2人が、互いの持つ異性感について、鋭い感性と最上の文体で描き切る様は、この上ない文章の上質さと可笑しみを本に与えていて、文字の持つ力が強い。
 でも、読んでてちょっと心配になってきたことがある。カクちゃんとほむほむは、それぞれ自分自身のことをわりと普通の女子や男子の代表? って感じ? と思い違いをしているのかもしれないということだ。
 うーむ、この場を借りて言っておかねばなるまい。
 角田光代様、穂村弘様へ
 あなた方の著書はすばらしい作品ばかりで、僕は本当に感謝しています。読むにはとても面白いのです。が、しかし、残念ながらあなた方は、お二人ともに完全な変態です。とくに異性に対して。とってもキラキラした変態。
 あっさり読みきっちゃわないように、ゆっくり読もっと。ホント最高ですこの本。まだ52ページ。それと、この記事は感想文になっていないですね。ここまで読んでくださった方、ごめんなさい、本の紹介と愛の表明でした。

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男のリズム 池波正太郎 角川文庫

  • 2011.11.21 Monday
  • 13:09
評価:
池波 正太郎
角川書店
¥ 500
(2006-01-25)

 風体からは昭和の香りが漂ってくる。1974年に月刊「現代」初出エッセイの文庫本で、書かれてから約40年が経っている。若い人は古臭くて読みにくいのではないか? と思われるかもしれない。内容は著者のメモワールであり、情景であり、嗜好である。戦前の江戸っ子の粋な心構えみたいなものがてらいなく自然に描かれている。
 当時の池波正太郎といえば、グルマン、ベテラン人気作家であり、演劇脚本出身で映画論評までこなす、いわばオーラある文化人であったと想像する。
 僕が東京の街に出没するようになったのは1990年以降。街には池波正太郎の足跡が残っていた。
「ここは池波さんが通う店」
人は陶然としている。訳知りの大人が無邪気にしているのに驚かされた。
 この本にはかなりの量の説教が隠れていて、それがすごくカッコいい。その上、正太郎さんはオチャメに書いておられます。遊び心満載だと思う。当時の若い人に向けて書いたのかな。
 東京に愛された池波正太郎さん。


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夜は短し 歩けよ乙女  森見登美彦さん ぐるぐる再読中

  • 2011.09.27 Tuesday
  • 18:55
評価:
森見 登美彦
角川グループパブリッシング
¥ 580
(2008-12-25)

 また、ついつい読んでしまった。この小説はいつ読んでも、素敵な京都の世界が広がりますね。大傑作です。圧倒的な京都世界。御本人曰く御都合主義的な箱庭的京都世界。そして京を語る文体がすばらしいのです。
 多分、あの、大作家道疾走中で、バリバリ書きまくりの三浦しをん様(若手に分類されるというか、本人はされたいであろう)ですら、かなりの影響を受けている気がいたします。オタク同志、なんだか勝手に共鳴しあっていると言った方がいいのかな。固有の振動係数が近いはずだ!(こういう理系知識忘れてきた!) 
 しかし、今を生きている人が、なんでこんな文体で文章を書けるんだろ? それも一冊分まるまる何百枚も。ホント不思議です。
 そして黒髪の乙女の胸キュンが素晴らしいのです。モリミーは少女漫画も沢山読むのであろうか。松本零士ばりの四畳半物語もいいですよね。襖を開けると、洗ってないサルマタが崩れ落ちてくるみたいな。
 
 秋だし、京都行こうかな。


 そういえばまだペンギンハイウエイを最後まで読んでないや。せっかく単行本を買ったのに。
 
 しかし、このアマゾンの星の数を設定できないのはなんでだ!? オラは★★★★★5個だって。なんでだ!?
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角田光代様 今日もごちそうさまでした 再読してます

  • 2011.09.22 Thursday
  • 14:39
前にも書きましたが、もう一度書いちゃいます。
しつこく再読をしております。


しかしこの本は本当に名著だ。
食に関するエッセイ本として最高の完成度を誇っている。そしてオモチロイ。
なぜ、この本はこんなに刺さってくるのだろう。

やっぱり互いに肉派だからか。
冒頭に羊ネタを持ってくるところが素人ではない。(作家ではなく、肉派としてですよ)
次がなんとタンネタだ。初焼き肉屋に出演しているのは、早稲田の一文男子であろうか。どちらにしろ角ちゃん(もちろん知り合いではありません)をそこまで圧倒するとは一文男子も並ではないな。その上、俺もタンはウエルダン派だ。半生でタンを食べるような奴は、アワビのミズガイの角に頭をぶつけてしまえ。
そして鶏がくる。そうだ鶏は肉ではない。光代様の言うとおりだ。日本はボンジリが好き放題食べられるのが幸せだ。これがパリなら殴り合いになるはずだ。
その次はタマゴネタだ。そうだ俺も外国の卵の根性の無さが気になっていた。とくにドイツが根性無しだ。しかし外国の黄色い奴を見ると、日本の卵がオレンジ過ぎてイクラに見えてくるのも事実だ。昔は日本も黄色くなかったっけ? やはり、やり過ぎは禁物ということだ。ヨードのみならず、なにごとにおいても。
そして塩のあとに豚ネタが来る。すばらしい構成だ。肉派として羊に始まり豚に終わるのは理想だ。なぜなら角ちゃん(ごめんなさい気安くて)も俺も関西人ではないからだ。

サイボクのゴールデンポーク最高ですよね。アホみたいに高くなくて美味しくて。
だめだ、もうオラは角田光代様を全面肯定だ! 肉派として。ゴーゴー肉派!!

因みに我が世界一の牛丼は、マカオのポルトガルレストラン・Solmarの牛ミンチ炒めライス。黄色い目玉焼き付きです。肉派の皆さま、ぜひ食べてみてください。

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絶好調みたいですね!! 木下 古栗さん いい女vs.いい女

  • 2011.09.15 Thursday
  • 18:40
 ちょっと前に書いたばかりなのだが、古栗さんが、あまりにもおもしろいから、もう一回ブログに載せちゃおう。本当はいけないのかもしれないが、一部掲載して、そのあらぬ文学的世界の凄さを味わってくださいませ。(前回掲載は 2011.09.05 Monday)

 揺りかごのような波の満ち引きのざわめきに耳を澄ますと、海水を構成する極小の粒子の擦れ合いまで聞き取れるようで、その微細な一粒一粒の感触の無尽蔵さが気の遠くなるほど膨大な総量を思わせ、雄大な大海原に果てしなく広がりそうになる危うい意識を、岸に打ち寄せる波に乗せてかろうじて引き戻すと、肉体までもがその内に波の躍動を孕んで、全身に暑い血の奔流を駆け巡らせる心臓の鼓動と共鳴してうねり狂うように脈打ち始める。既に我慢は不可能だ。 (教師BIN☆BIN★竿物語より)

 これ、ただプールサイドに寝ているビニパン男の情景の描写です!? ホントおもろいです。完全にいっちゃってますね。
 コアなファンにはたまらない世界だ……実はかなりの数のアングラ古栗ファンがいると聞いた。プロに多いらしい。

 読むしかないって。マジで。
いい女vs.いい女
いい女vs.いい女
木下 古栗

森見登美彦さんの 恋文の技術 の文庫は危険だあ

  • 2011.09.11 Sunday
  • 12:38
 文庫が出たんですね。さっそく (夜は短し 歩けよ乙女 角川文庫) とともに購入しまして、携帯用にして喜んでおります。軽くて読みやすくて大変よろしいです。ハードカバーをお持ちの皆さんも、携帯用に文庫を買いましょう。
 しかし、お手軽だなあと読み返し始めて、「恋文の技術 第9話 伊吹夏子さんへ 失敗書簡集」のところに僕がさしかかったのは、銀座線の車内で表参道に着いたところだった。ドアからは、おしゃれなお嬢さん(茶系のワンピ+音質優のヘッドホン)や、お金持ちでシックな30代カップルや、ベージュの服をタイトに着こなした熟女などが乗り込んでくる。僕は渋谷からの始発に乗り、浅草を目指しているから、シートの端に座って森見さんを読んでいる。車内はまあまあ混雑している。そして、僕は、第9話 失敗書簡集を読み始めてしまった……
「ぶわー。ひーっひっひっひっ!、ブハハハハ」
僕は事キレたように銀座線の車内で爆笑してしまった。前髪を抑えていたプラダのサングラスを落とした。守田一郎があまりにおもしろかったもんで。
 銀座線の乗客というのは、ある意味、東京一のクールな都会人ばかりである。当然、売れない芸能人とか、なまっチョロイ変態とか、少しぐらいのヤンキー野郎は黙殺されるが常なのだが、今の僕は大きな声を出して物理的に迷惑をかけてしまっている。僕は乗客の注目を集めてしまった。でも、正面の女の子がチラリと背表紙を見て納得してくれたような仕草に、僕は救われました。良かった、モリミーが有名人で。

やっぱり森見登美彦さんの文庫は危険だ。特に電車の中は。


【反省】 浅草から渋谷に向かう銀座線で、ノンノ専属モデルの佐藤ありさちゃんが車内に乗り込んできた。そして僕の正面のシートに座りました。もの凄いかわいくて、キラキラしてて、びっくりした。銀座線ルールに従い、サインくれとか、シャメするとか、じろじろ見るとかしないで、むっつりと我慢いたしました。時々コソコソと見るにとどめました。マジで、かわいいなあ。ありさちゃん。
 全く、ルールを守るのって、つらいよね。

恋文の技術 (ポプラ文庫)
恋文の技術 (ポプラ文庫)
森見 登美彦

木下 古栗さん 最高です いい女vs.いい女

  • 2011.09.05 Monday
  • 13:21
 もう、凄いとしか言いようがありません。卓越した文学的才能によって描かれる非文学的世界。文学の可能性についてあらぬ方向性を追求したい方に必読ともいえます。この方こそが最前戦。僕は大好きです古栗さん。最高。
いい女vs.いい女
いい女vs.いい女
木下 古栗

今日もごちそうさまでした 角田光代様に惨敗です

  • 2011.08.28 Sunday
  • 22:14
 今日は神保町に行ってきた。僕はギラギラした新刊たちが並んでいる様を眺めたくなると三省堂に行くのだ。田舎に住んでいるので地元の本屋さんは少しさみしいのである。もちろんアマゾンは使っているのだが、実際に本を手にとってパラパラとページをめくってから、未読の作家の本を買い求めるという営為には向いていない。だから三省堂に行くのである。電車に乗って。
 そして今回買い求めた新刊たちの一冊は、
(今日もごちそうさまでした 角田光代 アスペクト)である。
 単刀直入に感想を言っちゃいます。この本は凄い。とてつもなく凄い。もう凄いとしか言いようがない。
 僕は食に関するエッセイ本の収集を趣味の一つにしているのだが、この本を読んだら、開高健・池波正太郎、両大先生以来の衝撃を受けてしまった。
 この作品における角田光代様の何が凄いといって、感情の記憶と時間性とその鮮明さである。もちろん文章自体の面白さは半端じゃないです。(人気作家にむかって僕がわざわざ言うことじゃあありませんが)あと食についての愛も。
 角ちゃん(すっかり馴れ馴れしいですが、もちろん知り合いではありません)とはたまたま同年代だから、あるいは僕の持った共感が特別に強いのかもしれない。チーズフォンデュの失望とかホワイトアスパラ革命とか。
 それにしても食に関するエッセイを読んで、大笑いして、大きくうなずいて、とても共感し、とにかく食べたくなり、そして忘れていた記憶や感覚が蘇るって、凄くありません? 
 このエッセイは、そうした優れたナラティブの性質をも持ち合わせているのだ。だってテーマが豚肉とか唐揚げとか玉ねぎについてなんですよ、そんな話をしながら、どうやって読者の埋もれている情景を掘り起こすことが可能なのか、この本を読むまで、僕には想像すらできませんでした。
 そして圧巻なのは、冒頭の(私の愛するもの)とカテゴライズされた6つのエッセイだ。肉と卵と塩についてなのだが、名言が連発されているうえに、彼女の持つ肉愛の深さに感動せずにはいられない。豚肉について熱く語ることで負けたと思ったのは生まれて初めてです。角田光代様に惨敗です。
 オラは修業が足らねえだ、旅に出よう。さらなる肉と油ものを求めて
今日もごちそうさまでした
今日もごちそうさまでした
角田 光代

おおきなかぶ、むずかしいアボガド 村上ラヂオ2 の文体

  • 2011.08.20 Saturday
  • 13:11
しかし、村上春樹さんの文体って、どんどん研ぎ澄まされていくよなあ

ダンス・ダンス・ダンスのころが一番ゴシック的だったのかな

でも村上朝日堂とあんまり変わってないのが、やっぱり村上春樹だな

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