今日もごちそうさまでした 角田光代様に惨敗です

  • 2011.08.28 Sunday
  • 22:14
 今日は神保町に行ってきた。僕はギラギラした新刊たちが並んでいる様を眺めたくなると三省堂に行くのだ。田舎に住んでいるので地元の本屋さんは少しさみしいのである。もちろんアマゾンは使っているのだが、実際に本を手にとってパラパラとページをめくってから、未読の作家の本を買い求めるという営為には向いていない。だから三省堂に行くのである。電車に乗って。
 そして今回買い求めた新刊たちの一冊は、
(今日もごちそうさまでした 角田光代 アスペクト)である。
 単刀直入に感想を言っちゃいます。この本は凄い。とてつもなく凄い。もう凄いとしか言いようがない。
 僕は食に関するエッセイ本の収集を趣味の一つにしているのだが、この本を読んだら、開高健・池波正太郎、両大先生以来の衝撃を受けてしまった。
 この作品における角田光代様の何が凄いといって、感情の記憶と時間性とその鮮明さである。もちろん文章自体の面白さは半端じゃないです。(人気作家にむかって僕がわざわざ言うことじゃあありませんが)あと食についての愛も。
 角ちゃん(すっかり馴れ馴れしいですが、もちろん知り合いではありません)とはたまたま同年代だから、あるいは僕の持った共感が特別に強いのかもしれない。チーズフォンデュの失望とかホワイトアスパラ革命とか。
 それにしても食に関するエッセイを読んで、大笑いして、大きくうなずいて、とても共感し、とにかく食べたくなり、そして忘れていた記憶や感覚が蘇るって、凄くありません? 
 このエッセイは、そうした優れたナラティブの性質をも持ち合わせているのだ。だってテーマが豚肉とか唐揚げとか玉ねぎについてなんですよ、そんな話をしながら、どうやって読者の埋もれている情景を掘り起こすことが可能なのか、この本を読むまで、僕には想像すらできませんでした。
 そして圧巻なのは、冒頭の(私の愛するもの)とカテゴライズされた6つのエッセイだ。肉と卵と塩についてなのだが、名言が連発されているうえに、彼女の持つ肉愛の深さに感動せずにはいられない。豚肉について熱く語ることで負けたと思ったのは生まれて初めてです。角田光代様に惨敗です。
 オラは修業が足らねえだ、旅に出よう。さらなる肉と油ものを求めて
今日もごちそうさまでした
今日もごちそうさまでした
角田 光代
コメント
管理者の承認待ちコメントです。
  • -
  • 2013/12/13 12:37 PM
管理者の承認待ちコメントです。
  • -
  • 2018/06/07 8:00 AM
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック
おいしいものを食べながら、人は怒ることができないと聞いたことがある。おいしいもののことを考えながら、怒ることもまた、できないかもしれない。今まで食べたもの、作ったもの、御馳走になったもののあれこれを思い出しながらこの原稿を書いているとき、私はいつもほ
  • 粋な提案
  • 2013/12/13 12:33 PM

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent trackback

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM