ANAとS7航空は好きです

  • 2014.10.06 Monday
  • 13:16
 「Y島さま。いつもANAのご利用ありがとうございます。本日担当のS木です」
突然、声がかかる。はっと顔を上げると美人が首にスカーフを巻いて紺色の制服に身を包み20センチ位に接近して微笑んでいる。
「よ、よろしくお願いします」僕は思わず、吃ってしまう。
 この人こそがいわゆるANAの象徴であるキャビンアテンダントだ。僕はマイル交換の香港行きのビジネスクラスシートに盗人みたいに座っていた。手数料を4000円くらいしか払ってない。それなのにあんな風に礼儀正しくされちゃうと、なんか悪いな。
 ANAのキャビンアテンダント(以下CA)のS木さんは、一言で言うと美人である。そしてシックである。狭い通路で彼女がおしぼりを配っているところへ、後ろから抱きつきたい衝動に駆られる。そんなことしちゃったら、まずいよなあ。セクハラで、デ禁は間違いない。ネットで有名になっちゃうかも。僕はすでにかなりの妄想モードなのであった。
 ふと機内を見渡す。S木さんみたいな美人CAが3、4人忙しく動いている。同じ髪型、制服、背丈、同じ笑顔、同じ仕草、銀色のアクセサリー。あれれ、だんだん見分けがつかなくなってきたぞ、彼女たちはこの前もその前も彼女たちだった、ような気がしてくる…世界の時空が歪む。
 海外旅行しよう、という時に僕はまずANAのホームページを開く。飛んでない時だけ他の航空会社を探す。ANAビザカードを持ち、普段のお買い物で使った分はマイルに交換する、という程度のANAファンである。
 だからマイルは結構たまっていて、時々アジア方面の航空券に交換している。良い時期の無料航空券はなかなか取得できないから、それに合わせて休みを取るのが難しいのだが、もっともお得感が高いと思っている。
 2001年まではアメリカのユナイテッド航空が元気であった。ユナイテッドといえばスターアライアンス。スターアライアンスといえばマイレッジプログラム。僕は職場の人々と競い合うようにしてマイルをため込んでいた。安く航空券を買って、可能な限りのマイルを貯め込み、そしてどうやってお得感のあるアップグレードや無料航空券に交換するかを競っていたものである。滞在1日のニューオリンズや滞在2時間のロサンジェルス旅行をする人もいた。そういう行為はマイル修行と呼ばれた。僕はニューヨークが好きだったので、時間があればエコノミークラスのシートでJFK空港に飛んだ。何回ニューヨーク1泊旅行の修行をしたことか。土曜の深夜、ソーホー近傍のバーレストランで、
「じゃーねー、また来週の土曜日8時」
アホである。そして9月11日に自由を奪われた。
 日本のスターアライアンス加盟はANAである。僕がANAファンなのはその延長線にあると思う。だから自分のお金で海外旅行をするようになってから、ANAとは15年以上の付き合いになる。こうなってくると、次はJALにしようかな、という気は全く起きない。そしてANAというのは、時間の遅れ、荷物のミス、事故などの少ない信頼のおける航空会社である。だから僕は別れようと考えたこともない。わりに不満はあるので、次の機会に書きたい。でも、別れたくはないんです。
 ところで近年ANA以外に利用する航空会社はS7航空(シベリア航空)である。ロシアのハバロフスクへ年に1度は旅行することになったからである。
 成田ハバロフスク便のS7航空はどうなの? と聞かれたら、…うーん、チャーミングですよ、と答えるしかない。成田でもハバロフスク空港でもターミナルからバスに乗ってタラップを登り下りしなければならない。飛行機は小型の1列6人掛けだし、時間の遅れや、荷物の管理などは、ANAとは比べ物にならない。機内の装備は貧弱で、小さなトラブルは日常茶飯事である。S7航空に乗るとANAがいかに高いレベルで航空業務を行っているのかよくわかる。
 しかし、ですね。
 他に選択肢が無いから何とも言いようがないのだけれど、ロシアのハバロフスクへ飛ぶための飛行機なんだけど、やっぱりS7航空って駄目じゃない? と言われると、いや、そんなこともないですよ、と擁護したくなる心持なのである。
 高度の安定した機内では、紙パックがひとつ、ポンと置かれる。それだけである。それが機内サービスの全てだ。ライムグリーンの駅弁大の紙パックを開けると、プッチンプリンみたいなリンゴジュースにパンとハムとサラミそしてベッタリした色のケーキ。
 あなたは作用反作用の法則に気を使いながらプッチンプリンのビニールの蓋を開けなければならない。そしてリンゴジュースを飲めば、何のことはない、セブンイレブンで一番安いリンゴジュースである。次にパンをつかんで穴をあけ、チーズとサラミを挟み、ぱくっと一口齧ってほしい。もぐもぐ、もぐもぐ。冷や飯みたいな冷えパンだが、芯の強い粉味とほのかな甘味がするのに気づかれるであろう。チーズとサラミもしっとりとしている。もしかすると僕は日本人だからパンとチーズの味を本当に理解していないのかもしれない。
 隣のロシア人のお母さんを見ると、もうこんなのないわ、という暗い顔をしている。反対の中学生は中身だけくりぬいて食べている。
 そして座席にはもちろん前方の壁にもテレビひとつついていない。トイレに入ると紙はある。しかしクリームとかウエットティッシュとか綿棒とか、余計なものは一切無い。
 無い無い尽くしのS7航空の機内なのだがCAはとても親切である。ロシアの美人性を差し引いたとしても、とても親切な人たちであり好感が持てる。彼女たちのサービスを見ていると、日本人に特に気を使っていると思う。入国カードが無かったり、トイレの紙を切らしていたりするのは御愛嬌である。
 高度に発展していない国というのは、システムの構築性と信頼性が低い。ロシアはその典型的な国だ。そうなると現場で働く人は、右往左往するか、あるいは私の責任じゃないわ、と居直るかのどちらかである。
 システムの信頼性に慣れきっている日本人はそういう時に真剣に怒る。日本刀を抜くのである。結構、日本人も迫力あるよね。  


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