崎陽軒のシウマイ

  • 2016.09.08 Thursday
  • 14:38
 今日は品川に行く用事があったので、山手線に乗った。そして無事に終わって僕は渋谷に着いた。井の頭線に乗って下北沢へ帰ろうと思ったが、昼過ぎの腹はグルルと鳴った。
 よーし、たまには喜楽に行こうかな。喜楽の醤油ラーメン。もやしをかき分けて太麺をつかむと、ぷんと醤油の香りが立つ。そして焦がしネギがからまる。
 ふと時計を見ると昼の12時30分であった。喜楽のラーメンにありつこうと思ったら、めちゃめちゃ並ばなければいけないじゃないか。ブルルルルル、やめようやめよう、次にしよう。
 しかしファストフードは食べたくないし、思いつくレストランのランチはどこもかしこも超満員であった。
 人が溢れかえる巨大な渋谷の街角で、僕は閉塞感に襲われた。
 普段、僕は下北沢のアパートでもぞもぞしている生物である。文章を書くのに詰まってしまい、じゃ外の空気でも吸って、気分を一新しよう、と思ったらベランダだ。コーヒーを沸かして冷蔵庫の牛乳を注ぐ。シャグ缶を取り出してタバコを巻く。牛乳コーヒーを飲みながら手巻きタバコをチッチとやる。ベランダからはスズナリが見える。そこに母親がよくスーパーで選んできた、硬いチョコレートチップクッキーがあったら、もう最高である。
 赤鉛筆を耳に挟んで、マグを手に、原稿を読んでいると、僕は本当に自由なのであった。妄想は個人の自由だからな。他人に迷惑をかけちゃいけないけど。神とか変態とかバケモノとか、なにもかも存在してしまう世界である。しかしあまりにもその世界に耽っていると、帰ってこれなくなるかもしれない。赤鉛筆で原稿を真っ赤にして、また部屋に戻ってパタパタと文章を書く。赤鉛筆がこの世界の扉の鍵。
 「あ、そうだ」
ここで買いアパートで食べればいいのだ。渋谷にあり下北沢にない物産を、僕は思いついたのであった。
「シューマイ弁当とシューマイください」
崎陽軒のオバちゃんに僕は話しかけていた。井の頭線のデパ地下であった。
「シューマイは昔ながらのシウマイ15個入りでよろしいですか」
最近の崎陽軒は、ちょっと面倒である。異様に品数が増えたのであった。我が脳内の赤い崎陽軒のシューマイは、(横浜名物 昔ながらのシウマイ15個入り)と名付けられている。30個入りは昔からあったが、現在は6個入りもある。その他、特製シウマイ、真空パック入り、えび、かに、黒豚等々。弁当も書ききれないほどの種類がある。
 僕は弁当を持ち下北沢のアパートに帰った。途中で冷たいウーロン茶も買った。
 まずはシューマイの赤い袋をべりっと開ける。簡単に開けられるのが嬉しい。黄色い紙箱があらわれる。紙は少ししっとりとしている。ひょうたん型の醤油差しと辛子を開けて、楊枝でシューマイをさして口に運ぶ。もぐもぐ、もぐもぐ。次に2個連続でさして口に運ぶ。もぐもぐ。電子レンジもガス台もあるから、温めることはできるのだけれど、崎陽軒のシューマイは常温で食べられるのが尊い、と思うのだ。
「なんか小粒になった気がするな」美味しいのに文句を言っている。
 次に黄色いシューマイ弁当を開ける。箱が薄い木で作られている。木の香りが食べ物に移っていて、いくらでも食べられる。蒲鉾、から揚げ、煮マグロ、タケノコ。そしてもちろんシューマイ。紅生姜に昆布の佃煮。八の小俵に押されたご飯は少し硬くて、割り箸が折れそうで危なっかしい。
「ぷはー。食った食った」
ごくごくとウーロン茶を飲む。もう、昼寝しかないよね。

 

 

 




JUGEMテーマ:日記・一般



JUGEMテーマ:グルメ



コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent trackback

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM