極寒ロシアの暖房と温水の供給

  • 2017.01.07 Saturday
  • 10:35
 朝、目が覚めた。
 外はまだ少し暗いが、今何時なんだろう。iPhoneを見ると8時30分であった。いやー10時間も寝ちゃったよ。そろそろ起きなきゃ。ということで僕はのそのそとソファベッドから起き上がった。カリニナ通りのアパートは温水暖房で一日中ホカホカなのだが、毎日とても寝つきが良いのは、やはりこの温度加減が体に丁度いいのだろうな。ちょっと暑いくらいだから、小窓を開けちゃおう。
 しかし、この温水暖房は壊れることがよくあるらしい。
 ハバロフスクの郊外をドライブすると、道の傍らに直径1mくらいのパイプが並走している。パイプは銀紙に巻かれたような状態で、所々銀紙が剥がれているのだが、交差点でパイプは地下に潜らずに、地上4mくらいの凸になり、そしてまた道に並走する。なんのパイプラインなのかと思ったら、巨大工場につながっていた。温水の供給工場である。
 逆にすると、工場で温水が作られて、温水はパイプラインを通って、60万人都市の各建物の地下に流される。各建物はその温水をポンプで引き上げて、各部屋の壁側にある暖房機に流すのである。暖房機は部屋に一つ以上備え付けられていて、部屋が温められている。暖房機の上に洗濯物を広げると、ジーンズでも3時間で乾いてしまった。昔の小学校の暖房機が思い出されるが、あれよりもかなり強力というか、弁当なんか10分で十分、手で触ると火傷しそうなくらいのパワフルな暖房機なのであった。
 シャワーの温水もこのシステムに組み込まれている。そしてバスルームだけ暖房機がないのだが、S字のパイプが壁にあって、そこに温水が流れている。バスタオルを干しておけばすぐに乾くのだった。
 なかなか巧妙な暖房システムがここには設置されているのだ。が、しかし問題がある。このアパートはフルシチョフ時代のアパートである。フルシチョフカと呼ばれる1970年代製。フルシチョフはブレジネフの前だから僕の記憶にはないソ連の書記長だ。ロシアのアパートはスターリンカ、フルシチョフカ、ブレジネフカ、そして現代建築に分けられるようである。いわゆる5階建の公団住宅みたいな建物が、フルシチョフカである。共産党時代を象徴する素っ気ない建物で、東欧諸国において未だ現役バリバリの建物だ。
 温水が供給されない理由はいくつかある。まずは工場の稼働を何時にするかの政治的判断。そして工場やパイプラインの故障。各建物のポンプの故障や、暖房機の故障などなど。そして基本的には70年代に構築されたシステムなのである。温水を蜘蛛の巣みたいに街全体に張り巡らしてあるのだから、50年近くも使用してきて、サビと老朽化は避けられない現状なのである。現代建築のアパートはそれを嫌って、各個に温水供給機を設置したり、オール電化にしてみたりと、色々とやっているみたいだが、毎月のコストが非常に高額になるので、普通のロシア人にはとても手の届くものではないそうだ。月に10万円以上も暖房費がかかるんじゃあね。庶民でいいや庶民で。
 ということはですよ、この温水供給システムがなんらかの理由で故障して、うちのアパートに来なくなったら、一体全体どうすればいいんだあああ! 一晩過ごすのも命がけになると思います。温水が供給されなくなったら、とりあえずウオッカの瓶を持ってデモに参加しよう。
 そして毎年4月から9月まで温水は供給されない。政府によって決定されているそうだ。その間、シャワーは水を浴びろということだ。
 
 

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